金属アレルギーについて

夏は金属アレルギーに注意

多く汗をかく夏。それは金属アレルギーが発症しやすい季節となります。なぜなら汗によって金属から溶け出した「金属イオン」が皮膚のたんぱく質と結合すると、それを体が「異物」とみなして拒絶反応を起こすためです。

金・プラチナ・銀など、割り金という他の金属を加えて合金を作っています。加工性や硬さを向上させるためです。また表面に加工を加えることで美しい色調を作り出すものもあります。 このように金属やジュエリーの加工に用いるものによりアレルギー起こすことがあります。

厚生労働省でも「夏場や運動時等の汗を大量にかく場合には、装飾品を外す等の配慮が必要であること。」と注意を呼び掛けています。

皮膚障害の約4割が装飾品によるもの

厚生労働省は「2018年度 家庭用品等に係る健康被害 病院モニター報告」で、装飾品による皮膚障害が43.1%と最も多かったと発表しています。またパッチテストで反応のあった順は、ニッケル、金、パラジウムであったそうです。

引用:2018 年度 家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告(厚生労働省より)


近年多い「ニッケルフリーメッキ」は一般的に銅や亜鉛などの金属を使用していますが、ニッケルが「0%」と言う意味ではなく、少量のニッケルが含まれている場合があり注意が必要です。(実はこの記事を書いている私もニッケルフリー金メッキで痒み赤みの症状が出ます。)
また、近年ネットショップで「アレルギー対応」という表示や、レビューで「金属アレルギーでも大丈夫でした!」等よく見かけますが、上記モニター報告でもあるように意外にも金にアレルギーを持つ方がいます。
「食物アレルギーと同様に人それぞれアレルギー源が違いますので正しい知識でご自分に合ったJewelryやAccessoryを選びましょう。

チタン、ステンレスについて

サージカル「外科の」、ステンレススティール「錆びない鉄」という意味で作られた名称です。

ステンレスは医療でも使われるから安心。と思われている方が多くいらっしゃると思いますが、そのサージカルステンレスにはアレルギーの原因となるニッケルが12~15%(SUS316L)含まれています。ですが、金属成分が溶け出しにくいということで、安心といわれています。

純チタンの「純」は純度の高いチタンという意味です。チタンそのものはイオンがほとんど発生しないため金属アレルギーを引き起こしにくく、ステンレスは主に手術用の器具などに使用されますが、チタンは体内に埋め込む器具にも使用されています。
耐食性に優れていますので汗をかく夏や海水等に強く思いっきりファッションを楽しめる素材と言えます。
純チタンにも種類があり、JIS規格で「1種、2種、3種、4種」と分けられますが、当店の純チタンは全て「1種」を使用しています。純チタンの中では強度は弱いですが、最も純度の高いものになります。

化学成分参考:ステンレス鋼棒 JIS G G 4303:2012 (日本工業規格より)

シルバーについて

シルバーはアレルギーを起こしやすいと勘違いされている方が多いような気がします。実際はシルバーアクセサリーも合金なので、シルバー以外が原因になっていることがほとんどです。
シルバーアクセサリーを選ぶ際は、92.5%が銀の「S925」「silver925」と刻印されたものをお勧めいたします。また7.5%は主に銅であることが多いので、銀と銅のアレルギーを持っていなければ大丈夫な場合が多いです。注意点としてはメッキ加工されている場合そのメッキにアレルギーとなる素材が使用されている場合がありますのでメッキ加工されていないシルバージュエリーをお勧めいたします。

メッキ処理をされていないシルバーは空気中の硫化水素の化学反応で黒くなります。
これはメンテナンス用品でお手入れをすれば落とすことが可能なものです。メッキ処理されているものについてはメッキが落ちない限り黒くなりませんのでお手入れの方法が違います。同じメンテナンスをしてしまうとメッキをはがしてしまうことになってしまう可能性がありますのでご購入時にメンテンナンスの方法をご確認ください。

安心してオシャレを楽しむには

特に、金属アレルギーをお持ちの方、汗をかく夏の着用はアクセサリーや安価すぎるジュエリーにご注意下さい。
驚くかと思いますが日本では、刻印は「製造者又は販売者が責任をもって表示」となっており、残念なことに刻印をすべて信用できなくなっております。

素材の詳細記載、品質保証書付、お問い合わせに誠実にお答えできるショップ等からのご購入をお勧めいたします。